ブログ
ポータル
パートナーポータルとは?機能や導入するメリット、事例を解説
パートナーポータルとは、代理店などの取引先と情報や業務のやり取りを行う専用サイトです。機能や導入するメリット、構築の手順、事例を解説します。
目次
代理店や販売パートナーが増えるほど、資料の送付や問い合わせへの回答、案件の進捗確認といったやり取りは、メールと電話だけでは管理しきれなくなります。パートナーポータルを導入すると、パートナー企業との情報共有や業務のやり取りを1つのサイトにまとめることができます。
本記事では、パートナーポータルの基本機能や導入するメリットとデメリット、構築方法と導入手順を解説します。Liferay DXPで構築された導入事例も紹介するので、パートナー向けの情報共有を見直したい方はぜひ参考にしてください。
パートナーポータルとは
パートナーポータルとは、企業が代理店や販売パートナーなどの取引先と、情報共有や業務のやり取りを行うための専用サイトです。製品情報や販促資料、価格表、案件の登録情報などをまとめて置き、パートナー企業の担当者がログインして使います。
利用者を限定して情報を集約するポータルサイトの一種であり、社員向けの社内ポータルや顧客向けのカスタマーポータルと並ぶ位置づけです。企業によっては、取引先ポータルや代理店ポータルと呼ぶこともあります。
利用者と用途
パートナーポータルを使うのは、自社(ベンダー)側の担当者とパートナー企業の担当者です。自社側では営業やマーケティングなど複数のチームがかかわり、パートナー側では代理店から開発会社まで種類の異なる企業がログインします。立場ごとの主な使い道は、以下のとおりです。
| 利用者 | 用途 |
|---|---|
| 自社(ベンダー)側 ・パートナー・アライアンスチーム ・営業チーム ・マーケティングチーム ・サポートチーム |
・新製品や価格改定の案内 ・販促資料やキャンペーン素材の配布 ・パートナーが登録した案件の進捗確認 ・パートナーからの問い合わせへの回答 |
| パートナー側 ・代理店 ・リセラー ・ディストリビューター ・システムインテグレーター(SIer) |
・製品情報や提案資料の入手 ・見積もりや発注の依頼 ・案件の登録と進捗の報告 ・トレーニングの受講と認定資格の取得 |
パートナーの数が多く、取り扱う製品や地域によって必要な情報が異なる企業ほど、ポータルで情報を出し分ける価値は大きいでしょう。
パートナーポータルの基本機能
パートナーポータルの基本機能として、代表的なのが以下の5つです。
- 情報発信機能
- コミュニケーション機能
- パートナー管理機能
- 顧客・営業管理機能
- トレーニング機能
それぞれ詳しく解説します。
情報発信機能
情報発信機能では、パートナーに届けたい情報を1か所に掲載し、常に最新の状態で共有することができます。掲載する内容の例は次のとおりです。
新製品のリリース情報や価格改定のお知らせ
製品カタログ、提案書のテンプレート、比較表などの販促資料
操作マニュアルや設定ガイドなどの技術資料
期間限定のキャンペーンやイベントの告知
ポータルに載せた資料は、パートナーが自分で検索してダウンロードします。メールに添付して送る方法と違い、改訂のたびに古い版がパートナーの手元に残る心配がありません。パートナーの種類や地域ごとに表示する内容を変えることができる製品なら、関係のない情報に埋もれることもなくなります。
コミュニケーション機能
コミュニケーション機能があれば、自社とパートナーの間や、パートナー同士のやり取りをポータル上にまとめることができます。主な機能は以下の4つです。
- 問い合わせフォームとFAQによる質問の受け付けと回答
- 掲示板やフォーラムでの情報交換
- チャットやメッセージでの個別のやり取り
- アンケートによるパートナーからの要望の収集
やり取りがポータルに残るので、担当者が交代しても過去の質問と回答を引き継ぐことができます。パートナー側も「以前どのメールで聞いたか」を探さずに済み、回答を待つ時間が短くなります。
パートナー管理機能
パートナー管理機能を使うと、契約中のパートナー企業の情報と活動状況を一元管理できます。管理できるのは、次のような項目です。
- パートナー企業の連絡先、契約内容、ランク(Tier)の情報
- 担当者ごとのログイン履歴や資料のダウンロード状況
- トレーニングの受講状況や認定資格の取得状況
- パートナーごとの売上実績や目標の達成率
資料はダウンロードしているのに商談の報告が上がってこないパートナーなども、画面上で見つけることができます。動きの止まっている相手が分かるので、フォローの優先順位を決めやすくなります。パートナーのランクに応じて、表示する価格表や割引条件を切り替える権限設定も、パートナー管理機能の一部です。
顧客・営業管理機能
顧客・営業管理機能を備えたポータルなら、パートナー経由の商談を登録から受注まで追うことができます。ポータル上で行う主な操作は、以下の4つです。
- パートナーからの新規案件の登録と、他のパートナーとの重複の確認
- 見積もりの作成依頼と注文の申し込み
- 商談の進捗状況の更新と売上予測の共有
- 契約やライセンスの内容の確認
パートナーは案件登録で、見つけた商談の相手や内容をベンダーに知らせます。最初に登録したパートナーが商談を進める優先権を持つルールにしておけば、同じ顧客に複数のパートナーが同時に提案することもありません。自社のCRM(顧客関係管理システム)と連携させると、登録された内容が営業担当者の画面にも自動で表示されるので、電話やメールで進捗を聞く手間が減ります。
トレーニング機能
パートナーの担当者は、トレーニング機能で製品知識や提案方法を自分のペースで学ぶことができます。ポータルに用意する主な内容は、以下の4つです。
- 動画やスライドによるeラーニング教材の配信
- 認定試験の実施と合格者への認定証の発行
- 担当者ごとの受講状況と進捗の管理
- 新製品や新機能が出たときの教材の追加
新製品が出るたびに全パートナーへ説明会を開く代わりに、教材をポータルに置いておけば、パートナーは都合のよい時間に受講することができます。認定制度と組み合わせれば、パートナー側の提案の質もそろいやすくなるでしょう。
大企業向けのポータルサイトを構築できるLiferay DXPなら、基本機能に加えてコンテンツのパーソナライズやユーザーのアクセス管理などの機能を追加することも可能です。
Liferay DXPで構築できるパートナーポータルの機能一覧はこちらのページからダウンロードできます。
パートナーポータルを導入するメリット
パートナーポータルを導入するメリットを、自社(ベンダー)側とパートナー側に分けて見ていきましょう。
自社(ベンダー)側のメリット
自社側のメリットは、主に次の3つです。
- 問い合わせ対応・管理工数を減らせる
- パートナー活動や案件データを可視化できる
- パートナー間の情報格差を解消できる
問い合わせ対応・管理工数を減らせる
資料の送付やお知らせをポータルで一括配信すると、パートナーごとの個別対応がなくなります。例えば価格改定を100社に知らせる場合、100通のメールを書く代わりに、お知らせを1件掲載して通知を送るだけで済みます。
「最新のカタログがほしい」「認定試験はいつか」といった問い合わせも、パートナーがポータル上で自分で確認できるので、営業や技術担当の対応時間を削減できます。
パートナー活動や案件データを可視化できる
パートナーの活動状況と案件の進捗が、ポータル上で見えるようになります。ログイン回数や資料のダウンロード数、案件の登録件数、受注率をパートナーごとに並べれば、どの企業が動いていて、どの企業が止まっているかがひと目で分かります。
動きの鈍いパートナーには担当者が連絡を入れ、受注率の高いパートナーには新製品の先行案内を出す、といった打ち手を決めることができるでしょう。勘や担当者の記憶に頼らず、パートナー戦略を数字で見直すことができます。
パートナー間の情報格差を解消できる
最新の販促資料や製品のアップデート情報を、全パートナーに同じタイミングで届けることができます。担当者がメールで個別に送っていると、送り忘れが起きたり、旧版を添付していたりといったミスが発生する可能性があります。
ポータルの場合は1か所に掲載するだけで、地域や担当者が違っても、どのパートナーも同じ情報を同じ日に見ることが可能です。海外拠点のパートナーに多言語で同じ内容を出し分ける場合にも、翻訳版をポータルに置くだけで済みます。
パートナー側のメリット
パートナー側にも、次の3つのメリットがあります。
- 「セルフサービス」で情報にすぐアクセスできる
- 担当者のスキルアップと認定獲得が容易になる
- 他パートナーとコミュニケーションをとりやすくなる
「セルフサービス」で情報にすぐアクセスできる
パートナーの担当者は、必要な資料や製品情報をベンダーに問い合わせることなく自分で取り出すことができます。メールで依頼して返信を待つ時間がなくなり、ポータルにログインすれば24時間いつでも最新のカタログや価格表を確認できます。
提案書を作っている最中に資料が必要になったときも、ベンダーの営業時間を気にせずダウンロードして作業を続けることができるでしょう。
担当者のスキルアップと認定獲得が容易になる
パートナー側の担当者は、eラーニングの動画や資料で、いつでも製品知識を学び直すことができます。新製品のリリース時や担当者が交代したときも、ベンダーの研修日程を待たずに、必要な教材をポータルで受講してすぐに業務を始めることができます。
認定試験までポータル上で受験できれば、資格の取得もスムーズです。認定パートナーとして名乗れる資格は、パートナー自身の営業活動でも信用の裏付けになります。
他パートナーとコミュニケーションをとりやすくなる
コミュニティ機能や掲示板があれば、パートナー同士がベンダーを介さずに直接情報を交換することができます。「同じ業種の顧客にどう提案したか」「導入時にどこでつまずいたか」といった実例を、他のパートナーから直接聞くことも可能です。
ベンダーから配られる資料だけでは分からない現場の工夫が集まり、各社の提案力も上がるでしょう。共同提案の相手が見つかるなど、パートナー同士の協業のきっかけにもなります。
パートナーポータルを導入するデメリット
パートナーポータルには、導入前に知っておきたい以下のようなデメリットもあります。
- システムの導入や運用に費用がかかる
- 初期設定やコンテンツの更新に手間がかかる
- パートナー企業に利用されない可能性がある
順番に解説します。
システムの導入や運用に費用がかかる
パートナーポータルの構築には、ツールやサービスの費用がかかります。初期費用として、パッケージやクラウドサービスの導入費、自社向けの設定や開発の費用、既存システムと連携するための開発費が必要です。
運用に入ってからも費用の支払いは続きます。クラウド型のツールやサービスでは、月額または年額のライセンス費用が運用中ずっと発生します。ユーザー数やパートナー数に応じて増える料金体系も少なくありません。導入前に、初期費用だけでなく数年分の運用費用まで含めて予算を見積もっておきましょう。
初期設定やコンテンツの更新に手間がかかる
費用だけでなく、社内のリソースも必要になります。公開前には、アクセス権限の設定、既存の資料の整理と掲載、FAQの作成、既存システムとのデータ連携の確認といった作業を行わなければなりません。
公開後は、製品が更新されるたびに資料や価格表を差し替え、問い合わせの傾向に合わせてFAQを追加し、古くなった情報を取り下げる作業が続きます。更新を担当する部署と担当者を決め、月に何回どの情報を見直すかを運用ルールとして決めておくと、公開後に手が回らないといった事態を防ぐことができます。
パートナー企業に利用されない可能性がある
作ったポータルをパートナーが使ってくれない、という失敗も起こり得ます。ログインの手順が面倒だったり、探している資料がどこにあるか分からなかったりすると、パートナーはメールや電話での問い合わせに戻ってしまうでしょう。
また、掲載している情報が古いままだと、「ここを見ても最新ではない」と判断され、訪問されなくなります。利用率を保つには、ログインのしやすさや画面の分かりやすさに加えて、パートナーがポータルを開く理由になる情報を載せ続ける必要があります。
パートナーポータルを構築する方法
パートナーポータルの構築方法は、以下の3つが一般的です。
- CMS
- スクラッチ開発
- ポータル構築用のツール・サービス
それぞれの特徴を確認し、自社の要件に合う方法を選びましょう。
CMS
一般的なCMS(コンテンツ管理システム)に会員機能を組み合わせると、ログインしたパートナーだけに資料や記事を公開するサイトを作ることができます。CMSは記事や資料の掲載に強く、マーケティング部門の担当者がエンジニアに頼らずに情報を更新できるのが特徴です。
一方、案件登録や見積もり、パートナーごとの権限設定といった業務機能はCMSだけでは足りず、プラグインの追加や個別開発で補うことになります。情報発信が中心で、業務のやり取りはメールやCRMで続ける企業に向いている方法です。
スクラッチ開発
スクラッチ開発では、自社のエンジニアや開発会社がパートナーポータルをゼロから作ります。画面の構成や業務フロー、既存システムとの連携方法をすべて自社の要件どおりに設計できます。独自の商流や複雑な承認手順を持つ企業にも合わせることが可能です。
ただし、要件定義から公開までの期間は長くなり、開発費用も他の方法より膨らみやすいでしょう。公開後の保守やセキュリティ対策も自社で続ける必要があります。
パートナーポータル構築用のツール・サービス
ポータル構築用のツールやサービスを使う方法では、ポータルに必要な機能が最初から用意されています。ユーザー管理や権限設定、コンテンツ管理、検索、既存システムとの連携といった機能を組み合わせて、自社向けのポータルを短期間で立ち上げることができます。
Liferay DXPも、パートナーポータルを構築できるツールの1つです。CMSでは足りない業務機能や細かな権限設定を、スクラッチ開発より短い期間で用意したい企業に向いています。パートナー数が多く、ランクや地域ごとに見せる情報を変えたい大企業ほど、専用ツールの機能を生かしやすいでしょう。
パートナーポータルを導入する手順
パートナーポータルの導入は、次の7つの手順で進めると良いでしょう。
- 現状の課題を洗い出して導入目的を明確にする
- 必要な機能と、予算やスケジュールを決める
- 構築方法とツールを比較する
- 初期設定とコンテンツの準備をする
- 特定のパートナー企業にテストを依頼する
- パートナー企業にポータルサイトの案内をする
- パートナー企業の利用が定着するように改善を続ける
順番に解説します。
1. 現状の課題を洗い出して導入目的を明確にする
最初に、パートナーとのやり取りで今どこに時間がかかっているかを洗い出します。資料の送付にかけている時間、同じ問い合わせの件数、進捗を把握できていないパートナーの数などを、担当者へのヒアリングで確認しておきましょう。
課題が見えたら、「問い合わせ対応の時間を半分にする」「パートナー経由の案件登録数を月50件にする」のように、導入目的を数値目標で決めます。目的が決まっていれば、機能の取捨選択やツールの比較で迷ったときに判断の基準として使うことができます。
2. 必要な機能と予算やスケジュールを決める
次に導入目的に合わせて、ポータルに載せる機能を決めます。問い合わせの削減が目的なら資料の掲載とFAQ、案件の可視化が目的なら案件登録とCRM連携、というように目的から機能を逆算します。公開時に必ず必要な機能と、あとから追加する機能にも分けておきましょう。
機能が決まったら、初期費用と運用費用の予算、公開日までのスケジュールを作成します。パートナーの繁忙期や自社の新製品の発表時期を避けて公開日を設定すると、公開直後の案内や説明会に人手を割きやすくなります。
3. 構築方法とツールを比較する
必要な機能や予算、スケジュールが決まったら、CMS、スクラッチ開発、専用ツールのどれで作るかを比較します。比較の軸は、必要な機能を標準で備えているか、既存のCRMや基幹システムとつなげられるか、パートナー数が増えても費用と性能が見合うか、の3点です。
候補のツールは、資料だけで決めずにデモを触って確認しましょう。パートナーが毎日開くログイン画面や資料の検索画面から目的の資料にたどり着くまでのクリック数や、検索したときに探している資料が上に出てくるかを確かめます。機能の一覧を見比べるだけでは、使い勝手までは分かりません。
4. 初期設定とコンテンツの準備をする
ツールが決まったら、公開に向けた設定とコンテンツの準備に入ります。設定では、CRMや基幹システムとのデータ連携と、パートナーのランクや地域に応じたアクセス権限を組み込みます。
コンテンツとして掲載するのは、製品カタログや価格表、提案書のテンプレート、FAQなどです。既存の資料をただ載せるのではなく、パートナーが探しやすいカテゴリと名前に変更しておきましょう。公開後の「どこにあるか分からない」という問い合わせが減ります。
5. 特定のパートナー企業にテストを依頼する
本番公開の前に、付き合いの長いパートナー企業数社に試験利用を依頼します。「資料を探して見積もりを依頼する」といった普段の業務をポータル上でやってもらい、どの画面で迷ったか、どの資料が見つからなかったかを聞き取りましょう。
社内の担当者だけのテストでは、パートナーにとっての使いにくさに気づくことができません。集めた意見をもとにメニューの名前や資料の置き場所を調整してから全パートナーに公開すると、公開直後の混乱を避けることができます。
6. パートナー企業にポータルサイトの案内をする
本番公開したら、全パートナーにポータルの開設を告知し、使い方を案内します。告知メールには、ログイン方法と最初に見てほしいページ、問い合わせ先を載せ、担当者が迷わず初回ログインできるようにしておきましょう。
あわせて、オンラインの説明会を開いたり、解説動画を用意したりすると、パートナーもスムーズに導入できます。説明会では、資料の探し方だけでなく、案件登録や認定試験など「ポータルを使うとパートナーが得をする機能」を中心に紹介すると、公開後の利用率アップを目指すことができます。
7. パートナー企業の利用が定着するように改善を続ける
公開して数か月たったら、利用データを見ながら改善を行います。ログイン率やよく見られている資料、案件登録の件数を月ごとに確認しましょう。使われていない機能や、探されているのに出てこない情報が見えてきます。
例えば、ログインしていないパートナーが3割いるなら告知の方法を見直し、特定の資料の検索が多いならトップページに置き直す、といった対応を繰り返します。導入時に決めた数値目標と実績を比べ、目的に近づいているかを定期的に確かめましょう。
パートナーポータル導入を成功させるポイント
パートナーポータルの導入を成功させるために、次の3つを押さえておきましょう。
- パートナー目線での使いやすさを徹底する
- セキュリティ対策を強固にする
- 継続して利用したくなるコンテンツ・機能を提供する
パートナー目線での使いやすさを徹底する
ポータルの画面と導線は、自社にとっての管理のしやすさより、パートナーの担当者が迷わず使えるかを優先して設計しましょう。トップページから目的の資料まで3クリック以内でたどり着くことができる階層にし、メニューの名前も社内用語ではなくパートナーが普段使う言葉でそろえます。
パートナーの担当者は、外出先からスマートフォンで価格表を確認することも珍しくありません。PCだけでなくスマートフォンでも読みやすい表示にしておくと、使う側の負担が減ります。
セキュリティ対策を強固にする
パートナーポータルには、価格表や未発表の製品情報、顧客の案件データといった社外秘の情報が集まります。情報漏えいを防ぐためにも、パートナーのランクや役割ごとにアクセス権限を細かく設定しましょう。また、契約が終了したパートナーのアカウントは、すぐに停止するのがおすすめです。
ログインには多要素認証を組み合わせ、通信と保存データは暗号化します。誰がいつどの資料を見たのかをアクセスログで残しておけば、万一の際に影響範囲をすぐに特定できます。セキュリティの要件は、ツールを選ぶ段階で確認しておきましょう。
継続して利用したくなるコンテンツ・機能を提供する
パートナーが「ポータルを開くと得をする」と感じるコンテンツと機能を用意すると、利用率を高めることができます。例えば、ポータル限定の提案書テンプレートや導入事例、パートナー限定のウェビナーやイベントの先行案内、認定資格につながるトレーニングなどです。
案件登録やキャンペーンの申請をポータル経由に限定すると、日常業務の中でポータルを開く回数が自然と増えます。載せる情報は「ベンダーが伝えたいこと」より「パートナーが売るために必要なこと」を優先しましょう。
パートナーポータルの導入事例
ここでは、Liferayの製品で構築されたパートナーポータルの導入事例を2件ご紹介します。どちらも、複数の国や事業をまたぐ大規模なパートナービジネスを1つのポータルにまとめた例です。
なお、Liferayのパートナーポータル導入事例集はこちらのページからダウンロードできます。
ヒューレット・パッカード・エンタープライズ社
ヒューレット・パッカード・エンタープライズ社は、世界174カ国の17万パートナー企業向けにパートナーポータルをLiferay DXPで構築しました。利用者は65万ユーザーにのぼります。以前は、地域やビジネスユニットごとに7つのポータルが古いソフトウェア上に分かれていました。ポータルごとに別のログインが必要で、データやコンテンツも散らばっているのが課題でした。
新しいポータルでは、全ビジネスツールとデータを1つのプラットフォームに統合し、25カ国語に対応しています。製品情報やトレーニング情報の提供、案件登録、注文・見積管理、他ツールとのシングルサインオンなどの機能を備えています。導入後、パートナー企業のポータル利用率は50%増加しました。アクティブユーザーの約70%が1日に複数回利用しており、ヘルプデスクの負担も軽くなっています。
ヒューレット・パッカード・エンタープライズ社の導入事例はこちらのページからダウンロードできます。
フォルクスワーゲン・グループ・フランス
フォルクスワーゲン・グループ傘下のフォルクスワーゲン・グループ・フランスは、社内ポータルと取引先ポータルをLiferay DXPで構築しました。導入前は、多数のユーザーを支える複数のサイトを簡単に作れないことが課題でした。コンテンツごとに閲覧権限を制御し、使いやすいシステムにすることも求められていました。
新しいポータルでは、100以上のアプリを集約し、5つあるブランドを1つのポータルで支えています。2万以上のユーザーが利用するようになり、従業員とパートナーの双方で業務効率化につながりました。
フォルクスワーゲン・グループ・フランスの導入事例はこちらのページからダウンロードできます。
パートナービジネスを効率化するLiferay DXP
Liferay DXPは、パートナー情報や案件のやり取りを1つのプラットフォームに集約し、パートナービジネスの管理工数を減らせるソフトウェアです。アカウント、契約、対応中の問い合わせといったパートナーの情報が、1つのダッシュボードにまとまります。
権限は、組織やパートナーのランク、役割、地域、言語に基づいて割り当てることが可能です。各パートナーの画面には、権限の範囲内で製品や価格、資料が表示されます。ランクごとに別のサイトを作ったり、メールで資料を送り分けたりする手間はかかりません。
オンボーディングもポータル内で完結します。フォームから新規アカウントを作ると、自動通知で残りの手続きを案内できます。認定や追加コースのためのeラーニングシステムや外部のトレーニングシステムと連携させれば、新しいパートナーが立ち上がるまでの期間も短くなるでしょう。
ノーコード・ローコードの機能を使えば、販促費の申請フォームのような新しい業務画面を、IT部門に頼らずチャネル担当のチームが追加できるのも特徴です。パートナーの要望に合わせてポータルを改善する速度が上がり、利用の定着にもつながります。
Liferay DXPの大企業向けパートナーポータル構築ソリューションのページでは、製品の詳細やよくある質問を紹介しています。パートナーポータルの構築やリプレイスを検討している方は、ぜひご覧ください。
パートナーポータルについてよくある質問
パートナーポータルと混同されやすい用語との違いについて、よくある質問に答えます。
1. パートナーポータルとCRMとの違いは?
大きな違いは、管理する対象と使う人です。CRMは、自社の営業担当者が顧客との商談や取引履歴を管理するために社内で使います。一方のパートナーポータルは、社外のパートナー企業がログインして、資料の入手や案件の登録に使う窓口です。両者は競合するものではなく、パートナーが登録した案件をCRMに引き継ぐなど、組み合わせて使います。
2. パートナーポータルとPRMとの違いは?
パートナー関係管理)の一部にあたります。PRMとは、パートナーの募集から契約、育成、案件管理、報酬の管理まで、パートナービジネス全体を管理するシステムや取り組みです。パートナー自身が直接開く画面の部分がパートナーポータルであり、PRMツールの一機能として提供されることもあります。PRMツールを導入せず、ポータルだけを構築する企業も珍しくありません。
3. パートナーポータルと代理店ポータルとの違いは?
代理店ポータルは販売代理店だけを対象にし、パートナーポータルはもっと広い取引先を対象にします。パートナーポータルの利用者には、代理店のほかにリセラーやディストリビューター、システムインテグレーター、開発会社も含まれます。取引先が販売代理店だけなら代理店ポータルと呼んで差し支えありませんが、開発会社や技術パートナーも使う場合は、パートナーポータルとして設計しましょう。
まとめ
パートナーポータルを導入すると、資料の送付や問い合わせ対応に追われていたパートナーとのやり取りを1つのサイトに集約することができます。自社の管理工数が減り、パートナーの活動も数字で見えるようになります。パートナー側も、必要な資料をいつでも自分で取り出し、トレーニングや案件登録を自分のペースで進められるようになるでしょう。
導入するときは、現状の課題から目的を決め、必要な機能と予算に合った構築方法を選びましょう。公開後も利用データを見ながら改善を続ければ、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ社のように、パートナーが日常的に使うポータルに育てることができます。
パートナー向けの情報共有をメールと電話に頼っているなら、Liferay DXPでのパートナーポータル構築も検討してみてはいかがでしょうか。
ブログ
カスタマーエクスペリエンス
ブログ
用語解説