Vodafone Idea、Liferay PaaSでパートナーおよび顧客のデジタル接点を一元化 B2B・B2C双方をカバーする統合ポータルの構築
Vodafone Idea(ボーダフォン・アイディア)は、パートナーのオンボーディング、製品管理、そして顧客向けセルフサービス機能を統合した、B2BおよびB2C両対応のポータルを構築。Liferay PaaSの活用により、一元化されたプラットフォームでの体験の提供を実現しました。
38倍
非通信サービスの提供数
200倍
非通信分野の取引件数
750倍
非通信分野の取引額
Liferay DXPの拡張性と柔軟性に優れたアーキテクチャは、数百万人のユーザーにサービスを提供する基盤となると同時に、パートナーや運用チームの連携を簡素化してくれました
アニーシュ・クマール氏
Vodafone Idea、デジタルデリバリー&キャパシティ担当 EVP
主要なポイント
- パートナー・顧客・運営を支える一元化されたプラットフォーム
Liferay DXPとLiferay PaaSを採用することで、Vodafone Idea (Vi) は複数のシステムを単一基盤へと集約。コマース機能やパートナーのオンボーディング、製品承認のための統合ワークフローを構築しました。 - パートナー企業の迅速なオンボーディングと拡大承認ワークフローの自動化により、品質とコンプライアンスを維持しながら、オンボーディング期間を数ヶ月から数週間に短縮。パートナー企業数を3社から10社以上へと迅速に拡大させました。
- チャネルを横断したシームレスなデジタル体験
「Viマーケットプレイス・パートナーポータル」と「Viモバイルアプリ」の統合により、製品の発見から購入、問い合わせ対応に至るまで、パートナーと顧客の双方に一貫性のある体験を提供しています。 - クラウドの信頼性によるスケーラブルなパフォーマンス
Liferay PaaSのオートスケーリングとモニタリング機能により、数百万人のユーザー利用にも耐えうる高可用性を実現。ピーク時でも安定した高いパフォーマンスを維持します。 - データ分析による継続的な改善
問い合わせ対応や返金ワークフローから得られるデータを活用し、サービス課題の特定、オペレーションの最適化、そして将来的なポータルの機能拡張に役立てています。
会社概要
Vodafone Idea(Vi)は、Vodafone IndiaとIdea Cellularの合併により誕生した、インドを代表する大手電気通信事業者です。同社は、インド全土の数億人に及ぶ個人顧客向けに2G、3G、4G、5G、VoLTEサービスを提供しているほか、小規模なホームオフィスから大規模な多国籍企業まで、あらゆるビジネス顧客に対してエンタープライズグレードのサービスやソリューションを展開しています。
デジタル接点のさらなる強化を目指し、Viは「ViShop」を立ち上げました。これは、B2BパートナーとB2C顧客をひとつのプラットフォーム上に集約した消費者向けEコマースサイトであり、Liferayを活用することで、拡張性、安全性、そして使いやすさを兼ね備えたデジタルコマース基盤を実現しています。
課題
Viが通信分野を超えてデジタルサービスを拡大するにあたり、いくつかの重要な課題に直面しました。
- 拡張可能なEコマース・インフラの構築
拡大し続けるパートナーエコシステムを支え、多種多様な製品タイプを管理できる強固なデジタル基盤が必要とされていました。 - シームレスで統合された体験の創出
Webとモバイルの双方において、Eコマース機能と顧客向けデジタル体験を連携させ、スムーズな遷移を伴う魅力的なカスタマージャーニーを実現したいと考えていました。 - パートナーのオンボーディングと製品管理の効率化
品質とコンプライアンスを維持しつつ、パートナーの参画プロセスを加速させ、新製品の市場投入までの期間を短縮するための自動化が求められていました。 - 大規模環境におけるパフォーマンスの維持
3,500万人を超えるユーザーを抱える中で、パフォーマンスと信頼性の確保は不可欠でした。需要に応じて拡張可能で、高負荷時でも安定稼働するクラウドベースのソリューションが必要でした。 - 継続的な改善に向けた実用的なインサイトの獲得
データ分析を活用してユーザー行動を把握し、パートナー体験の向上や、プロセスおよび提供サービスの最適化につなげる機会を特定したいと考えていました。
導入プロセス
Vi、Liferay、およびLiferayパートナーであるTCS(タタ・コンサルタンシー・サービシズ)は、アジャイルかつスプリントベースの開発手法を用いて「ViShop」の構築に取り組みました。
体系的な導入ステップ:
- 計画および要件定義(1〜2ヶ月):共同での要件検討に基づき、TCSが機能要件定義書(FRS)を作成。
- 設計およびスプリント計画(3週間):機能要件定義書に基づき、Liferayが詳細なソリューション設計を準備。
- 開発およびテスト(複数のスプリントサイクル):統合、パフォーマンス、セキュリティに関する継続的なテストを実施しながら、反復的に開発を進行。
- 本番稼働およびサポート(1ヶ月〜継続中):ユーザー受入テスト(UAT)を経て本番稼働。Liferay DXP PaaSを通じて、継続的なモニタリング、最適化、メンテナンスを実施。
Liferay DXPが実現するViの拡張性、統合、および効率化
- Liferay Commerce
Viは、Liferay DXPのコマース機能を活用し、複雑な製品カタログ、注文処理、およびコマースワークフローを管理しています。このプラットフォームは、単品、リード(引き合い)、セット商品など、幅広い製品タイプをサポートしており、各製品が掲載前に体系的な承認プロセスを経るようになっています。また、Viのモバイルアプリと統合することで、製品の発見から購入、問い合わせ対応に至るまで、エンドユーザーにシームレスなショッピング体験を提供しています。 - ワークフローエンジン
Liferay DXPのワークフローエンジンにより、製品の承認、クレーム管理、パートナーのオンボーディングといったポータルの主要プロセスを自動化しています。カスタムワークフローの導入により、承認作業を効率化し、手作業を削減。新サービスの市場投入までの期間を短縮しました。これらのワークフローは、Viの運用チームによるパートナーからのリクエスト管理や、円滑な日常業務の遂行も支えています。 - ユーザーおよびロール管理
Liferayのユーザーおよびロール管理機能により、パートナー、運用チーム、エンドユーザーなど、異なるユーザーグループに対して安全かつ効率的なアクセス制御を維持しています。各ロールに適切な権限を割り当てることで、データ保護を徹底し、ポータルのエコシステム全体における責任の所在を明確にしています。 - API連携
堅牢なAPI連携を通じて、Liferayベースのポータルをモバイルアプリ、CRM、ERP、決済ゲートウェイなどの外部システムと接続しています。このシームレスな接続性により、リアルタイムのデータ交換や同期、さらにはプラットフォームを横断した一貫性のあるユーザー体験が可能になりました。 - クラウド
Viのポータルサイトは、オートスケーリング、リアルタイムのパフォーマンスモニタリング、DevOpsコラボレーションツール、自動バックアップ、ディザスタリカバリ(災害復旧)といった高度なクラウド機能の恩恵を受けています。これらの機能により、パートナー向けおよび顧客向けの双方の業務において、信頼性、セキュリティ、そして継続的な最適化が保証されています。 - ユーザー体験(UX)デザイン
本ポータルは、パートナーの登録や製品申請から、顧客によるViアプリ上での閲覧・購入に至るまで、エンドツーエンドの体験を提供します。パートナーは掲載情報の管理やパフォーマンスの追跡を行い、顧客は直感的なショッピングを楽しみ、運用チームはリクエストや問い合わせを効率的に処理できる仕組みを構築しました。
導入成果
Liferay DXPは、Viのポータルサイトを単なる構想から、数百万人ものユーザー、パートナー、そして社内チームを繋ぐ、完全に機能するデジタルエコシステムへと変革させました。
- パートナーおよび製品エコシステムの拡大
Liferay導入前、アクティブなパートナー企業はわずか3社でした。現在では10社以上のパートナーが「Vi Shop」に参画しており、オンボーディング(新規参画)に要する期間も数ヶ月から数週間へと大幅に短縮されました。 - 非通信ビジネスにおける飛躍的な成長
- 非通信分野の提供サービス数:38倍に拡大
- 非通信分野の取引件数:200倍に増加
- 非通信分野の取引額:750倍に急増(2023年12月〜2025年3月実績)
- 顧客エンゲージメントと体験の向上
ユーザーは、より迅速かつスムーズな取引プロセスを享受できるようになりました。また、パートナー向けのワークフローや苦情処理フローの整備により、迅速な問題解決と顧客満足度の向上を実現しています。 - チャネルパフォーマンスの強化
自社デジタルチャネルを通じた通信事業の収益シェアは1.7倍に成長しました。これは、セルフサービス機能の普及とユーザーからの信頼向上を反映しています。
結論
Liferay PaaSを通じて構築されたVodafone Ideaの統合ポータルサイトは、パートナー、顧客、そして社内運営を、拡張性と安全性に優れた単一プラットフォームへと集約しました。Liferayの包括的なコマース機能を活用することで、「Viパートナーポータル」はパートナー企業の迅速な成長を促進し、顧客満足度を高め、Viの「デジタルファースト」な未来を牽引し続けています。
また、同社は同じプラットフォームを活用し、8月25日に「Vi Finance」をローンチしました。これにより、ユーザーはViアプリ上でクレジットカードや個人ローンの申し込みだけでなく、定期預金への投資も可能になりました。初期の成果は非常にポジティブなものとなっています。
次なるステップ
今後、Viは物理的な製品を扱うためのONDC(オープン・ネットワーク・フォー・デジタル・コマース)との連携によるポータルサイト機能の拡張や、B2Bポータルサイトの立ち上げ、さらには現在のLiferay DXP Cloudシステム内でのパートナー支援ジャーニーの強化を計画しています。