LiferayとFISCコンプライアンス

Liferayは、安全かつ柔軟なプラットフォームを提供し、金融機関が業務要件とセキュリティ要件に合わせたFISC準拠システムを構築できる基盤を提供します。Liferay DXPを適切に導入・設定することでFISCガイドラインに準拠したソリューションを実現する強力な出発点となります。

FISCとは

FISC(一般財団法人 金融情報システムセンター)は、日本国内の金融機関に対して、ITシステムの安全性および安定性を確保するための基準やガイドラインを策定・提供する専門機関です。

FISC準拠が重要とされる理由

  • セキュリティ対策:サイバー攻撃からシステムを保護
  • 可用性の確保:常時稼働を確保し、業務停止リスクを低減
  • データ保護:顧客情報や取引データの漏えい防止

これらの要件に準拠することで、金融機関はリスクを低減し、顧客からの信頼維持および国内規制への適切な対応が可能となります。

FISCがシステム全体を対象とする理由

FISCガイドラインでは、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、業務プロセス、外部委託先サービスなど、ITシステム全体を包括的に対象としています。個々のソフトウェア製品にとどまらず、システム全体としての安全性と堅牢性を確保することが求められています。

共同責任モデル
  • FISCガイドラインへの準拠は、クラウドサービス提供者と導入企業(お客様およびSIベンダー)との共同責任により実現されるべきものです。各関係者の役割分担は以下の通りです。

  • Liferay(プラットフォーム提供者):セキュリティに配慮したプラットフォームの提供、ツール群、ならびにベストプラクティスの共有

  • お客様/SIベンダー:システムアーキテクチャの設計、運用体制の構築、データ管理方針の策定および実装を通じ、FISC要件への適合を図る

顧客

クラウド内のセキュリティの責任

Liferay

クラウドのセキュリティに対する責任

顧客データ
プラットフォーム、アプリケーション、ID・アクセス管理
オペレーティングシステム、ネットワーク、ファイアウォール設定
クライアント側のデータ暗号化とデータ完全性認証
サーバー側の暗号化(ファイルシステムおよび/またはデータ)
ネットワークトラフィック保護(暗号化、完全性、認証)
ソフトウェア
コンピュート
ストレージ
データベース
ネットワーキング
リージョン*
可用性ゾーン*
エッジロケーション*
* はハードウェア/Googleグローバルインフラストラクチャを指します。
セキュリティ&コンプライアンス認証

Liferayが取得している主な認証例:

  • ISO 27001, 27017, 27018

  • SOC 2 Type 2

  • CSA STAR Level 2

  • HIPAA(該当ユースケースとして)

  • スペイン国家情報セキュリティ基準(ENS)(任意取得例)

これらの認証は、国際的に認められたセキュリティ、クラウド運用、個人情報保護の標準を満たしていることを示しており、FISC対応アーキテクチャの中核を担います。

FISC準拠を支援する主な機能

 1. 詳細なアクセス制御とアイデンティティ管理

  • 企業向けシングルサインオン(LDAP、SAML、OpenID Connect)

  • 多要素認証(MFA)対応

  • ページやウィジェット単位のロールベースアクセス制御(RBAC)

2. 詳細な監査ログとモニタリング

  • ユーザー操作履歴(ログイン、コンテンツ変更、設定編集)の記録

  • 外部SIEM連携によるリアルタイムアラート

  • ログ保持ポリシーの設定サポート

3. 高可用性アーキテクチャ

  • クラスタリング対応

  • 負荷分散およびフェールオーバー機能

  • セッションレプリケーションオプション

4. 安全な開発・デプロイメント

  • ステージングから本番へのワークフロー

  • モジュラーコードベース(ホットデプロイ対応)

  • 定期的なセキュリティパッチ提供と長期サポート(LTS)

5. データ保護

  • 全通信のHTTPS/SSL強制

  • 設定データのパスワードハッシュ化・暗号化

  • インフラレイヤーでのデータベース暗号化実装可

  • すべての労働者、従業員、請負業者は、会社との秘密保持契約に署名する必要があります。
FISC準拠システムでのLiferayの活用方法

LiferayはFISC準拠を支援するための機能を備えていますが、実際の準拠状況はシステムのアーキテクチャ設計、デプロイ、設定、運用次第で決まります。

 オプション例

  • 金融業界に強みを持つLiferayパートナーとの協業

  • Liferayプロフェッショナルサービスによるセキュア実装支援

FISCコンプライアンスとホスティング戦略な機能

Liferay Self-Hosted

お客様自身でインフラからアプリケーション層まで全てを管理し、FISCガイドラインに沿ったセキュリティ対策、ソフトウェア更新、ログ監視、リスク管理を実施していただきます。

Liferay PaaS

プラットフォーム基盤とランタイム環境はLiferayが管理し、可用性、暗号化、アクセス制御などの基本的なFISC要件を満たします。お客様はアプリケーション設定、データ運用、業務手順について引き続き責任を負います。

Liferay SaaS

インフラ、ソフトウェア更新、セキュリティパッチ、バックアップ、監視などをLiferayが包括的に管理し、日本国内データセンターでのホスティングも可能です。お客様はユーザー管理やコンテンツ運用に注力するのみで、FISC対応のプラットフォーム運用を大幅に簡素化できます。
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