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null 【完全版】 カスタマーエクスペリエンス(CX)とは?わかりやすく解説

カスタマーエクスペリエンス
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【完全版】 カスタマーエクスペリエンス(CX)とは?わかりやすく解説

カスタマーエクスペリエンス(CX)は、企業や顧客にどのように関わってくるのでしょうか。CXの定義やCXのメリット、成功事例や戦略などをわかりやすく紹介します。

カスタマーエクスペリエンス(CX)とは


カスタマーエクスペリエンス(Customer Experience)とは「ある商品やサービスの利用における顧客視点での体験」のことです。しばしばCXと略され、「顧客体験」とも言われています。

カスタマーエクスペリエンスの特徴:

カスタマーエクスペリエンスは、顧客が商品を購入する際の体験にとどまらず、購入前の段階から購入後のサポートまでを通した、購買プロセスをとりまく顧客視点からの体験全体を対象としています。
また、カスタマーエクスペリエンスは、その商品やサービス自体が直接的に顧客に提供する体験だけではなく、その購入により顧客に非直接的にもたらされた体験も含みます。例えば、商品を提供する企業の雰囲気が良かったり、商品購入後に丁寧なサポートがあると、商品を買ったことによる満足感を顧客に与えることができます。

カスタマーエクスペリエンスの注意点:

カスタマーエクスペリエンスを捉える際に気をつけなければならないのは、カスタマーエクスペリエンスを企業視点で考えないようにすることです。「カスタマーエクスペリエンス」はあくまでも顧客視点での体験のことを指しており、企業側が顧客に提供したエクスペリエンスを、そのままカスタマーエクスペリエンスと捉えるのは危険です[1]。

カスタマーエクスペリエンスの重要性:

CXのリーダー企業の顧客は、CXに遅れている企業と比べ、リピーター顧客を得る確率が7倍高く、またアップセルに成功する確率も8倍以上高いことが明らかになっています。そのため、CXについてしっかりと理解しておくことは、競合他社との差別化にも繋がるでしょう[2]。
また、カスタマーエクスペリエンスは、単にB2Cだけの問題ではありません。現に86%のB2B企業のCMO(最高マーケティング責任者)が、CXは経営において重要だと考えています[3]。

ユーザーエクスペリエンス(UX)との違い


カスタマーエクスペリエンスとよく似た言葉に、ユーザーエクスペリエンス(UX)という言葉がありますが、この2つの言葉は混同されがちです。UXが個々の体験のことを指すのに対し、CXは企業の商品・サービスの利用者(ユーザー)が、それらの利用を通じて受けた体験全体のことを指しています[4]。

CXとUXの関係を一言で表すとすると、CXはUXを包含したものと言うことができます。例えば、とある商品を購入した際、UXでは『商品購入前のエクスペリエンス』『購入時のエクスペリエンス』『購入後のエクスペリエンス』などと複数のエクスペリエンスが生じる一方、CXでは『購買プロセス全体でのエクスペリエンス』と1つのエクスペリエンスが生じます。CXは、UXが積み重なったものと考えると分かりやすいでしょう。

商品購入時における、UXとCXの違いの解説

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カスタマーエクスペリエンス(CX)の2つの特徴


カスタマーエクスペリエンス(CX)の長期性

カスタマーエクスペリエンスの特徴の一つ目は、長期性です。例として、カメラを購入するために同じ家電量販店を訪れた2人のエクスペリエンスを比べてみます。

AさんとBさんは、それぞれが「より良い写真を撮りたい」という同じ動機をもち、新しいカメラを購入することにしました。その結果、2人が経験したエクスペリエンスは以下のようになりました(2人が買うカメラは同スペック・同価格ですが、AさんはブランドXから、Bさんは売場が少し離れたブランドZから購入したとします)。

CXの長期性

AさんとBさんは、同じニーズをもって同じ行動をしたにも関わらず、結果的に受けたカスタマーエクスペリエンスには大きな違いが出てきてしまいました。優れたカスタマーエクスペリエンスを提供するには、商品としての性能が高いだけでは不十分です。そのため、企業はただ良い製品やサービスの提供を目指すだけでなく、購入前から購入後のサービスまでのプロセス全体のカスタマージャーニーに気を配る必要があります。

B2Bビジネスにおいては、B2Cビジネスに比べて、カスタマージャーニーにおける購入前のステージが重要になっています。B2Bにおける購買決定者の82%は、購入前にベンダーが提供するコンテンツ(ホワイトペーパーや事例集など)を最低5つは閲覧し[5] 、77%は詳細なROI分析をし、また52%は購買に関わるグループメンバーを増員するなどして、より慎重に購買プロセスを進めています[6]。また、近年のB2Bにおける購買サイクルは長期化の傾向が見られています。購買決定者のうち、58%は前年よりプロセスが長くなったと回答し、短くなったと回答した人の割合はわずか10%でした[6]。そのため、ベンダーやサービス提供者は、CXが長期戦になるということをしっかり認識した上で、取り組む必要があるでしょう。

カスタマーエクスペリエンス(CX)における非物質的価値

カスタマーエクスペリエンスのもう1つの特徴として、「非物質的価値」の重要性を認識しておく必要があります。

カスタマーエクスペリエンスにおける「物質的価値」とは、商品の質や価格が示すような価値のことで、一般的に、その商品の物質的価値が高いほど、顧客が得るカスタマーエクスペリエンスは向上すると考えられています。その一方で、非物質的価値とは、商品自体の物質的価値を超えた感覚的な価値、あるいは心理的な価値のことを意味しています。こちらも例として、以下の二つのカフェを比べてみましょう。(コーヒーの品質と値段に違いはないとします。)

CXにおける非物質的価値の重要性

上記の例のように、非物質的価値には感覚的なものが含まれ、カスタマーエクスペリエンスに大きな影響を与えます。非物質的価値が低ければ、高い物質的価値を提供したとしても、総合的なカスタマーエクスペリエンスがネガティブになってしまうこともあります。

それでは、非物質的価値にはどのようなものがあるのでしょうか。その中の一つに、カフェを訪れた時に感じる居心地の良さや快適さに代表されるような、感覚的価値があります。感覚的価値を養うことができれば、顧客にとって購入した商品やサービスの知覚価値が向上し、それが属するブランドや企業に好意的な印象を抱くようになります。また、非物質的価値の他の例として、心理的価値があります。顧客が特定の商品やサービスに好意的な感情を持つ延長線上で、それらを利用すること自体に価値を見出したり、ブランドアイデンティティに自身のアイデンティティを重ね合わせるようにその商品やサービスにアイデンティティを感じるようになれば、顧客はその商品やサービスに深層心理的に価値を感じていると言えます。

非物質的価値の分類

非物質的価値特徴を理解した上で、しっかりとした顧客対応を心がけることで、優れたCXを提供し、顧客満足度を向上させることができるでしょう。

デジタルカスタマーエクスペリエンス


現代では、デジタル技術が進化したことで、購買プロセスが大きく変化し、B2B、B2Cに関わらず、誰もがあらゆるタッチポイントで一貫したサービスを求めるようになりました。現にB2Bの購買決定者のうち80%は、B2Cと同様のカスタマーエクスペリエンスを受けることを期待しています[7]。以前はオンラインショッピングの注文などはPC上で行われるのが一般的でしたが、最近では消費者はタブレットやスマートフォン上でオンラインショッピングを利用するようになりました。近年では外出自粛の風潮も強まり、あらゆる体験がオンライン化され、オンライン環境でのアクテビティは、以前と比べてより一般的になってきました。このような背景から、企業はオンラインでのエクスペリエンス、すなわちデジタルカスタマーエクスペリエンスにも気を配る必要がでてきました。上記ではオフラインにおけるCXの具体例を提示しましたが、ここではオンラインにおけるCXの例について説明します。

デジタルカスタマーエクスペリエンス

オフラインでは実店舗の環境や店員の対応がカスタマーエクスペリエンスを形作りますが、オンラインではあらゆるデジタルタッチポイントにおける顧客への対応がカスタマーエクスペリエンスを作っていきます。例えば、初めに顧客と持つ接点としては、オンライン広告やメルマガ配信、インフルエンサーによる投稿など、さまざまな可能性があります。購入時にはウェブサイトの操作のしやすさや、サイズ選択の際のスムーズな誘導がCXの質を高めることになり、配達の際も顧客が商品の位置を把握できることが大きな安心感につながり、好影響をもたらします。到着商品の質はもちろん、万が一期待通りの商品を受け取ることができなかった場合でも、丁寧なサポート体制が整っていれば、CX向上を期待することもできます。そして、顧客が受けたエクスペリエンスはデジタル環境上で共有され、他の顧客の意思決定に影響を与えることになります。

タッチポイント

また、近年オンラインカスタマーエクスペリエンスを向上するものとして、新たに注目されているのは、デジタルセルフサービスです。デジタルセルフサービスは、ユーザーがデジタルチャネルを通じて問題を独自に解決できるようにするソリューションのことを指します。デジタルセルフサービスを導入すれば、顧客はトラブル時でもサポートスタッフに連絡することなく、簡単に操作できるインターフェイスを通して情報を提供できます。デジタルセルフサービスを導入することで、顧客は迅速かつ簡便なサポートを受けることができるため、良質なカスタマーエクスペリエンスの提供を実現することができます。

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カスタマーエクスペリエンス(CX)向上が企業にもたらすメリット


優れたカスタマーエクスペリエンスを提供することで、企業は競合優位性を得て、競合他社と差別化を図ることができると言われています。大手コンサルティング企業のPwCの調査によると、消費者の86%は、より高い価格でも優れたカスタマーエクスペリエンスを提供する企業から商品を購入します[8]。優れたCXを提供できれば、売上向上を期待できるのです[9]。年商10億ドル(約1,090億円)以上の企業であれば、カスタマーエクスペリエンスの向上に適切な投資をすることで、3年以内に700万ドル(約7億円)の増収が見込まれます[10]。

また、優れたCXを提供している企業は、主に以下の4つのメリットを期待できます。

1. 顧客離れの防止

ある商品の購入において、顧客が満足するエクスペリエンスを受けなければ、競合他社に乗り換えます。フォーラム・コーポレーションの調査では、70%の顧客は企業から満足なサービスを受けられなかった時にブランドから離反すると答えています[11]。 PwCの調査からは、17%の顧客がたった一回よくない体験をしただけでブランドから離反することが分かっています[8]。顧客を1人失ってしまえば、企業はその顧客の生涯にわたって期待できる購買活動、つまり顧客の生涯価値(CLV)を失ったことになるため、企業にとって大きな打撃になります。新規顧客の獲得には、既存顧客の5倍のコストがかかるという1:5の法則に見ることができるように、離反顧客分の新規顧客の獲得は簡単にできることではありません[12]。

そのため、離反顧客を生み出さないためにも、顧客が満足するサービスを提供していくことには大きな価値があます。また、一度離反した顧客を取り戻すことも同様に簡単ではないため、顧客の離反は、企業にとって大きなダメージになります。また、顧客が離反したということは、その顧客が新しいブランドに乗り換えているということ、つまり競合他社に予断を許してしまったことにもなっています。

2.リピーター客の獲得

ある商品・サービスの利用によって顧客が満足感を得た場合、同様の体験を求めて同一商品・サービスを利用する顧客(=リピーター)が出てきます。ウォーターマーク・コンサルティング会社の調査によると、優れたカスタマーエクスペリエンスを提供している企業は、良くないカスタマーエクスペリエンスを提供する企業の3倍ものリピーターを獲得しています[13]。

リピーター客は、新規顧客向けの積極的な販促を行わなくても、商品・サービスを購入してくれ、さらにポジティブな口コミを無料で広めてくれるため、企業の長期的な売上の維持に好影響を与えます。高い顧客価値を提供し、顧客ロイヤルティを向上させて多くのリピーター客を得ることで、企業は効率よく売上を上げることができるようになります。

3. ブランドイメージの向上

顧客がある商品・サービスの利用によって良い体験を受けることができれば、顧客はそのブランドに好感を抱き、信頼を置くようになります。ブランドイメージが向上すれば、顧客ははじめに購入した商品だけでなく、それと同じブランドのものの購入を積極的に行うようになるため、。ブランド力を高めることは、自社商品の価値を高める作用を持ち、競合他社との差別化にもつながります。。

4. 既存顧客による宣伝効果

優れたカスタマーエクスペリエンスを提供し続けることができれば、その体験を受けた顧客のロイヤリティを向上させることができます。そして、顧客ロイヤリティが高い顧客は、好意的な情報を周りに発信するようになります[14]。マーケターの間で「最高の広告は満足した顧客である」と囁かれているように、ポジティブな口コミは強いマーケティング効果を発揮します。最近では、多くの口コミが知り合い同士だけでなく、SNSなどのデジタルコミュニケーション上で大々的に為されるようになってきました。従来、企業はマスメディアを通して一方的に広告を発信していましたが、パーソナルデバイスが発達した現在、顧客という存在がいつでもどこでも商品やサービスについての情報を発信をすることができるようになったのです。顧客がネット上などで、企業の商品・サービスについてのポジティブな口コミを広げれば、企業がコストをかけずとも宣伝することができるので、企業にとってこの変化は大きなビジネスチャンスであるとも言えるでしょう[15]。

口コミの影響力

しかし消費者にとって、顧客の素朴な意見が中立性をもった意見として企業が発信する情報よりも意思決定において大きな影響を持ちうるということを考えると、企業は顧客を「消費者」としてだけではなく「情報発信者」として捉え直し、場合によっては顧客に商品やサービスについてのネガティブな情報を発信されることも十分に意識しなければなりません[16]。 特に、大きな影響力を持った個人が商品やサービスについてのネガティブな情報を発信した場合、企業にかかる負担は大きくなります。この時代、既存顧客がポジティブな情報を発信したくなるような、質の良いカスタマーエクスペリエンスを提供できるよう、企業は一層の注意を払う必要があります。

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カスタマーエクスペリエンス(CX)向上のための戦略


優れたカスタマーエクスペリエンスをデザインする際、ユーザーエクスペリエンスのデザインとの関係性も理解しておく必要があります。これは、通常ユーザーエクスペリエンスは一時的なエクスペリエンスに重点を、カスタマーエクスペリエンスは全体的なエクスペリエンスに重点を置いて考えるためです。

例えば、インターネットオークションの利用登録に、本人確認書類の添付を必須にするかどうか、という問題について検討する際、ユーザーエクスペリエンスの観点からは、ユーザーの手間になる作業を要求することは望ましくないでしょう。しかし、本人確認が必須の場合、安心性やセキュリティ面から、カスタマーエクスペリエンスの観点からは本人確認を必須にしたいと考えるでしょう。そのため、企業はあらゆるエクスペリエンスの提供において、常に目標に対するバランスを考える必要があります。

顧客が満足する革新的な新商品やサービスを提供できれば、間違いなくカスタマーエクスペリエンスは向上しますが、多くの企業で継続的に革新的な商品やサービスを提供し続けることは困難でしょう。しかしながら、カスタマーエクスペリエンスを向上させるために、何か特別なことをしなければならないということはありません。事実、PDCAサイクル(Plan 計画, Do 実行, Check 評価, Action 改善)に基づいて戦略立案・実行するだけで、カスタマーエクスペリエンスの向上を期待することができます。

カスタマーエクスペリエンス(CX)向上のための戦略4ステップ

 

1. 明確な目標設定[Plan]

カスタマーエクスペリエンスを向上させる上で、最も重要なことは「どのようなカスタマーエクスペリエンスを提供したいか」について考え、明確な目標を設定し、社内で共有することです。これにより、企業が顧客に対し、「ありたい形」を再考することができます。より明確で正確な目標を設定する手がかりとして役立つことは、ペルソナの設定やカスタマージャーニーマップの作成です(カスタマージャーニーマップは、顧客の商品・サービス体験を可視化したもので、これの活用は企業の顧客視点からのアプローチを容易にします)[12]。また、ここで立てた目標を企業全体で共有し、それを基にした具体的な戦略を立てることで、様々なタッチポイントを通じて企業全体で一貫したサービスを提供することができます。

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2. 戦略の実行[Do]

この段階では、1で目標達成に向けて立てた戦略を実行に移します。この段階には、施策立案から従業員トレーニングなどの準備を経て、施策を実行するまでの長いプロセスが含まれます。

3. フィードバック収集と評価[Check]

2. で戦略を実行した後、それが実際に効果があったかを正確に評価し、顧客に対するアプローチが適切であったかどうかを知ることが大切です。効果があったアプローチは継続、効果がなかったものは改善することによって、企業はより適切なアプローチを取ることができるようになります。この評価基準の一つとなり得るのは、企業が顧客から集めるフィードバックです。フィードバックの分析により、良いカスタマーエクスペリエンスを提供するためにできることを再考し、新たなプランをたてることができれば、より良いカスタマーエクスペリエンスの提供が期待できます。

4. アプローチ方法の改善[Action]

フィードバックを基に練られた案を実行し、また同様にそれがどの程度の効果をもたらしたかを測定し、改善策を練ります。これを繰り返すことで、カスタマーエクスペリエンスは向上していくでしょう。

カスタマーエクスペリエンス(CX)を向上させた事例


B2B、B2Cにおいても、顧客が満足するCXを提供するには、上記で記載した戦略や丁寧・親切な顧客対応はもちろんですが、高品質の公開ウェブサイトの構築や、カスタマーポータルなどのポータルソリューション導入もひとつの案となるでしょう。

しかしながら、評判の良いソフトウェアを選べばCX向上を期待できる、といったことはなく、企業独自の商品・サービス、日々変化する顧客の要望に対応できるソフトウェアが必要となります。ここでは、ソフトウェア導入によってCXが向上した2社の成功事例を紹介します。

事例① 大手保険企業のアリアンツ社

オーストラリアで300万人以上の保険加入者を抱えるアリアンツ社は、ポータルサイトをリニューアルし、データベースなどの既存システムを統合しました。ユーザーアカウントの作成から、保険プランの検索や注文、パーソナライズされた通知の受信など、シームレスなエクスペリエンスを提供できる新ポータルサイトを構築した結果、顧客満足度の大幅向上に成功しました。

アリアンツ社ポータルイメージ

このように、デジタルセルフサービスを採用してカスタマーエクスペリエンスを向上させるという事例は年々増大しています。デジタルセルフサービスについて、詳しくは【2021年最新版】デジタルセルフサービスとはをご覧ください。

事例② 米国政府機関が運営する Grant.gov

Grants.gov(連邦政府補助金の申請や検索等に用いられるウェブサイト)では、17のレガシーシステムを抱えており、ユーザーに対して一貫性のないエクスペリエンスしか提供できていなかったものの、統合プラットフォームを構築した結果、週400万人以上のサイト訪問者に対し、シームレスなエクスペリエンスの提供に成功したほか、大幅なコスト削減も実現できました。

Grants.gov実際の画面

いずれの事例も、ただ単にソフトウェアを導入しただけでなく、顧客視点で顧客のニーズを深く分析したことが鍵となりました。そのため、優れたCXを提供するための基盤として、最新鋭のポータルソリューション導入は、非常に有効な手段の1つであると言えるでしょう。

さいごに


カスタマーエクスペリエンス(CX)とは「ある商品やサービスの利用における顧客視点での体験」のことで、顧客が商品を購入する際のエクスペリエンスにとどまらず、購入前の段階から購入後のサポートまでを通した、購買プロセスをとりまくエクスペリエンス全体を対象としています。

優れたCXの提供は、競合優位性を得る上で、B2CだけでなくB2Bにおいても非常に重要な要素となっています。また、優れたCXを提供できれば、企業は ① 顧客離れの防止、② リピーター客の獲得、③ ブランドイメージの向上、④ 既存顧客による宣伝効果 のメリットを得ることができますが、逆にネガティブなCXを提供してしまった場合、これらのメリットを得ることができないばかりか、ブランドイメージの悪化や顧客離れに繋がってしまいます。

そのため、カスタマーエクスペリエンスの意味や重要性を理解し、また顧客視点で「優れたカスタマーエクスペリエンスとは?」ということを考え、戦略立案フェーズに移ることが、優れたCXを提供する上で必要な第一ステップとなるでしょう。

参照文献


[1] Super Office, “7 Ways to Create a Great Customer Experience Strategy
[2] Forrester, "Economic Impact of Qualtrics Customer XM"
[3] Lumoa, "5 Trends in B2B Customer Experience Management"
[4] Nielsen Norman Group, "User Experience vs. Customer Experience: What's the Difference?"
[5] Forrester, “Myth Busting 101: Insights Into The B2B Buyer Journey
[6] Demand Gen Report, 2019, “Data: The Key Differentiator In B2B Marketing
[7] Accenture, “Put Your Trust in Hyper-relevance
[8] PwC, “Experience is everything: Here’s how to get it right
[9] hotjar, “Understanding customer experience
[10] Qualtrics, 2018, “ROI of Customer Experience, 2018
[11] Harvard Business Review, “Learning from Customer Defections
[12] invesp, “Customer Acquisition Vs. Retention Costs – Statistics And Trends
[13] Watermark Consulting, “The Customer Experience ROI Study
[14]フィリップ・コトラー、ケビン・レーン・ケラー著、『コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント基本編 第3版』丸善出版株式会社, 2017年
[15] Forbes, “Why Word of Mouth Marketing Is The Most Important Social Media
[16] A・O・ハーシュマン著、『離脱・発言・忠誠:企業・組織・国家における衰退への反応』ミネルヴァ書房、2005年