デジタル顧客体験(DCX)とは? - Japan

null デジタル顧客体験(DCX)とは?

by Maho Yoshinaga

デジタル顧客体験(DCX)とは?

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デジタル顧客体験(DCX)とは、顧客と企業の間のデジタルインタラクションのすべての交流成果であり、結果として顧客が最終的に企業へ持つ印象へと繋がるものです。

デジタル顧客体験 vs. 顧客体験


顧客体験(CX)分野は幅広く、企業とのやりとりにおける従来の顧客サービスチャネルから、最新のデジタルインタフェースにまで及びます。デジタル顧客体験(DCX)は主に後者にあてはまり、最終的に顧客に最大の利益をもたらすようフロントエンドサービスとバックオフィスプロセスの最適化の両方を含むものを指します。

両コンセプトとも、”顧客の期待に応える”ことに重点を置いているため、今日の世界でデジタルと非デジタルの分野が重複するのと同様に範囲は重複しています。そのため、どのようなものがデジタル顧客経験「ではないか」を明確にすることで、企業がDCX戦略において正しいアプローチ、考え方を持っているかどうか確認することができます。

関連ホワイトペーパー: 一貫性のある顧客体験を提供するために重要な3つの戦略

デジタル顧客体験(DCX)にまつわるよくある誤解4選


  • 顧客はデジタルを気にしている。 - 顧客は自分の体験はデジタルか、非デジタルかといったカテゴリーで捉えてはいません。彼らはチャネルに関わらず、ただ可能な限り最も便利な方法で企業にアクセスしたいと考えています。
  • DCXとはテクノロジーと戦略のことである。 - 実際はDCXにおいて、戦略よりも”文化”がより重要となります。いかに適切で優れたテクノロジーを持つ企業でも、デジタル顧客体験の改善を実現するには、依然としてビジネスにおける顧客中心の視点を取り入れる必要があります。デジタルトランスフォーメーションに関する議論の多くはこの重要なポイントについてより深く切り込んでいます。
  • DCXとはセールスとマーケティングに関わることだ。- Forresterのアナリストによると、ほとんどのデジタルエクスペリエンスプラットフォーム(DXP)は、大部分のリソースをセールス、マーケティング、Eコマース関連の機能に集中させ、カスタマーサービスやロイヤルティとエンゲージメント育成のための機能をおざなりにする傾向にあります。この場合、企業は優れたDCXをセールスとマーケティングフェーズで展開することが可能となりますが、今日のビジネスで重要とされている「顧客ライフサイクル全体」へアプローチすることは難しくなります。
  • DCXはIT・デジタル企業が検討することである。- 近年のデジタル経済で発展していくには、すべての業種・サービスでデジタルビジネスとなることが求められています。 Forresterは、「優秀なオペレーションに基づいたデジタル顧客体験」の重要性を説いており、すべての顧客経験の基礎としてデジタルテクノロジーを活用することで、IT企業だけでなく、他あらゆるビジネスでも、収益と成長の促進ができることを強調しています。

デジタル顧客体験を管理する


   DCXとCXで重複することが多い状況を考慮すると、デジタル顧客体験をいかに管理するかという点がなお一層重要です。それには以下の2通りのアプローチ方法があります:

  • 包括的な顧客ライフサイクルに焦点を当てる − デジタル体験と非デジタル体験の両方に意識を向け、互いを補い、それぞれを最適化する方法を検討します。このアプローチでは、DCXを全体的な顧客体験戦略の一部として扱います。
  • デジタル顧客体験に焦点を当てるハーバード・ビジネス・レビューの記事によると「優れた顧客体験戦略が、必ずしも優れたデジタル顧客戦略になりえるとは限らない。そのため企業は、顧客体験の改善がデジタルエクスペリエンスの改善と必ずしも繋がらないことを認識すべきだ」としています。同記事は、オンラインとオフラインの消費者は、それぞれ異なるニーズと期待を抱いており、ゆえにDCXに焦点をあて戦略を立てることが重要であることを論じています。しかし、オンラインとオフラインの間には明確な違いがあるという前提も、タッチポイントやチャネルが統合され、カスタマージャーニーにおいてその交差が当たり前となってきている現代においては、考え直す必要があるかもしれません。

どちらのアプローチも、企業のターゲット層やデジタルタッチポイントの成熟度によって、異なった価値があるものと言えるでしょう。ユーザ顧客がデジタルを主に利用しているのに、デジタルサービスが業界の標準よりも低い状況であれば、DCXに焦点をあてることはビジネスの加速に繋がるでしょう。一方、よりデジタルビジネスが成熟している企業は、CX戦略全体の統一感を保つために、包括的なアプローチをとることを選択するでしょう。

いずれにせよ、顧客はサービスの質に対し高い期待を抱いているため、企業は優れたデジタル顧客体験を提供できる能力を磨くことが求められるのです。この点を怠ると、ユーザーは苛立ち、ロイヤルティが育たず、DCXとCXを別管理するかどうかに関わらず、全体的な顧客体験に影響を与えることになります。

デジタルとフィジカルな世界の「マージ」が起こるような今の世界で、デジタル顧客体験と全体的な顧客体験を分離して考えることは無意味です。その顧客は、チャネルやデバイスにかかわらず、一人なのです。

始めのステップ


デジタル顧客体験戦略に着手し始める上で、誰にでもぴったりと当てはまるアプローチは存在しません。結局のところ、顧客はいち個人であり、あなたに適したアプローチは、オーディエンスのターゲット像に依存します。Forresterは、企業の戦略がどの程度成熟しているかを評価するのに役立つ、評価ワークシートをまとめています。

前述の通り、一貫性はデジタル顧客体験を向上させる上で重要な目標です。システムを少しずつ、バラバラに構築してしまうと、顧客が期待するような統一された体験を提供することは困難になります。結果、フォームをPCで入力し始め、モバイルで続行したい場合でも、すべての情報をもう一度入力し直す必要があるといった、残念なユーザ体験を提供することになってしまうのです。一貫性の実現には、ITの統合と内部プロセスの集約を必要とします。多くの場合は、サイロ化され、分離されたデータを統一的に管理できるよう特化開発されたデジタエクスペリエンスプラットフォームや、他ソリューションを活用しています。


参照: The Foresee Experience Index, 2014 US Retail Edition

業界別:デジタル顧客体験のベストプラクティス


単語が表す意味とは別に、DCXが対象となる範囲は「顧客」ベースのビジネスに限りません。患者や学生、市民などの外部のユーザー、社内外の社員、パートナー、または他ユーザーにサービスを提供するような全ての業界に適用されます。これらに共通するのは、相互作用を促進するためにデジタルテクノロジーを利用している点なのです。

業界 DCXの例
自動車 新車からAPIを介して診断情報が送信され、顧客はモバイルアプリまたはWEBのダッシュボード上で、サービスリマインダーおよび製品リコール通知と共に閲覧することができます。ユーザはまた、自身の口座の情報を見て、支払状況を追跡することもできます。これにより顧客は、その自動車企業のことを自分の車両を世話する専門家として深く信頼するようになります
銀行 顧客は銀行のモバイルアプリを通じて、新しい預金口座を開設します。銀行の予算計算ツールを利用して目標を立て、自動的に積立てがされるよう設定できます。また、請求状況、保留中の支払い、および目標達成率が考慮された利用可能額を都度知ることができます。1ヶ月に1回、顧客は貯蓄の状況と消費習慣を見直すためのテキストレポートを受け取ります。この顧客とって銀行は、親切で強力なアドバイザーとなるのです。
教育 学生は大学ポータルに接続して、デジタル講義や教科書へとアクセスします。学習の進捗は各講義の終わりにクイズ形式で追跡され、表示されるコンテンツは自分の扱うトピックに関連されたものです。教授とチャットをしたり、ウェブやモバイルのインターフェースを使って先生方と面談を設定したりすることが可能です。これによって学生達は自分の学生経験は特別で独自的なものと確信でき、大学はそれを理解しサポートしてくれていると感じることができます
行政 市の従業員は、通り沿いに位置するBluetooth対応のセンサーを介して、車両および歩行者の交通状況を監視することができます。担当者は他部門へその情報を共有し、渋滞などの問題に取り組むことが可能になります。交通渋滞の原因が何かしらの道路の欠陥であること(壊れた電灯など)が分かれば、オンラインの予定表を確認し、修理担当者の居場所とステータスを追跡し、直近で修理手配を設定することができるのです。修理が完了したら、すぐにソーシャルメディアを通じて情報を共有することができます。その結果、この担当者の印象は、技術に精通し、効率的な働きぶりというものになります。
ヘルスケア・医療 医師の診察中に、患者は自分の体調管理に役立つ健康目標を設定します。次回の訪問までの期間、彼女は自身の健康状態、食物摂取量、運動および処方箋を監視するためにアプリを使用します。インタラクティブな学習教材や、オンラインコミュニティもあるため、同じ目標を持って頑張っている他の患者から励ましてもらったりすることもあります。患者の体調はみるみると改善し、医師の訪問の必要性を減らし、病院側のコストも抑えられるようになります。結果、この患者にとって、医療は専門的で個人的なものとなるのです。
小売 地元の書店には、オンラインコミュニティがあり、そこで顧客は自身のお気に入り書籍のレビューを記録したり、オンラインでディスカッショングループへ参加したり、仮想空間でのイベントあるいは実店舗で開催されるイベントに参加することができます。顧客は、自身の注文履歴に基づいてレコメンドされた書籍から選ぶことができ、店舗ではその顧客のために実物が準備されます。お店で座ってコーヒーを飲みながら、いくつかのタイトルを試し読みし、どれを実際に購入するか選ぶこともできます。この顧客にとっての書店は、読書を管理するためのシンプルで楽しい方法となるのです。

デジタル顧客体験構築のための基盤


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